1950年初頭に米国東南部のノースカロライナ州ウィストンセーラムで結成されたゴスペルグループ "The Royal Sons Quintet"
が "The Five Royales" の前身グループ.ゴスペルからR&Bに転向した "The Royal
Sons Quintet" は,グループ名を "The Five Royales" に改名,ニューヨークの "Apollo
Records" と契約を交わしてレコーディングを始めました.
"The Five Royales" は,1952年から1953年にかけて,"Apollo Records"
からリリースされた曲が次々にヒットを記録,5曲がR&Bチャートのトップテンに入る全盛期を迎えました.
1952年12月 Baby Don't Do It (R&B 1位)
1953年 4月 Help Me Somebody (R&B 1位)
1953年 4月 Crazy, Crazy, Crazy (R&B 5位)
1953年 7月 Too Much Lovin' (R&B 4位)
1954年 1月 I Do (R&B 6位)
1954年にオハイオ州シンシナティの "King Record" に移籍した "The Five Royales"
は,活動後期の1960年代初頭まで このレーベルに在籍,"Apollo Records" 期のような連続ヒットは ありませんでしたが,
"Dedicated To The One I Love","Think","Tear Of
Joy" などの質の高い作品を数多く残していて,1957年にリリースされた "Think" と "Tears
Of Joy" は R&Bチャート9位の最高位を記録しました.
1958年から1960年にかけ,"King Records" から "The Five Royales"
のLPレコードが3枚リリースされていて,1958年にリリースされた1枚目のアルバム "Dedicated To You"(King
580)には,代表曲のジャンプナンバー "Think"(Side 1-1),バラードの代表曲 "Dedicated
To The One I Love"(Side 2-1)を含む12曲が収録.1959年には,"The 5 Royales
Sing For You"(King 616),1960年にはセルフタイトルの "The Five Royales"(King
678)がリリースされています.
"The Five Royales" は,1960年以降のロックやソウルミュージックの進展に影響を与えたといわれていて,代表曲の
"Think" は 1960年に "James Brown and The Famous Frames","Dedicated
To The One I Love" は 1959年に女性ボーカルグループ "The Shirelles" がカバー(1961年にリイシュー盤がヒット),いずれもカバー盤のほうがR&Bチャートのトップテンに入るヒットを記録しました.
Link > http://en.wikipedia.org/wiki/Think_(The_5_Royales_song)
Link > http://en.wikipedia.org/wiki/Dedicated_to_the_One_I_Love
"The Five Royales" の音楽的パフォーマンスの質の高さや独創性には,並みのR&B/DooWopボーカルグループが束になってもかなわないと思います.これは,このグループのほとんどの曲を作詞作曲したシンガーソングライターでギターリストの
"Lowman Pauling" によるところが大きいのですが,"The Five Royales"
の評価については音楽評論家に任せるとして,ゴスペルとブルースをベースにした甘さ無縁のソウルフルなバラードやジャンプブルースは,このグループの音楽活動を通して一貫してぶれることがなく,個人的には最も評価するR&Bボーカルグループです.
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